特集 看護の仕事って何だろう?
—ベテラン婦長が語る—“気づかい”にもとづく看護の仕事
佐藤 紀子
1
1東京女子医科大学看護学部
pp.506
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906079
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読者のみなさんへ
私たちは,東京都看護協会の協力を得て,約2年間にわたり「実践看護論研究会」を開催してきました.具体的にはパトリシア・ベナーとジュディス・ルーベルの共著「現象学的人間論と看護』を読みながら,参加者(全員が看護管理者)にさまざまな体験を話してもらったり,その体験をめぐって話し合うことをとおして,看護として「かかわる」こととか,「気づかい」についての考えを深めてきました,このようないきさつから,私たちはふだんこの研究会を「ベナー研究会」と呼んでいます.
この研究会は私にとって心踊るような経験の連続でした.ベナーの明晰な理論に触れることの喜びもさることながら,何より学ぶところが多かったのは,実は婦長たちが語る体験そのものだったのです.そこには,現在の多忙をきわめる臨床現場では改めて語られることの少なくなった,それだけに語る価値のある,ベテランならではの視点が光っていました.
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