連載 臨床実践
Medical Current of
狭心症・心筋梗塞—冠動脈形成術(PTCA/ステント)後の再狭窄を防ぐ新しい治療法
山科 章
1
1東京医科大学内科学第二講座
pp.1062-1066
発行日 1999年11月1日
Published Date 1999/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905969
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はじめに
近年,冠動脈疾患に対して低侵襲的に治療しようとする血管形成術がさかんに行なわれており,わが国でも年間約10万例にカテーテル治療がなされている.
しかしながら,冠動脈インターベンションの最大の弱点は再狭窄である.バルーンのみの治療では再狭窄率は急性期/慢性期(半年以内)を合わせて40%以上である.ステントの導入により再狭窄率は減少したがまだ20%を超えており,しかも再狭窄に対する再拡張後の再々狭窄率は40-70%ときわめて高いのが現状である.ということは,いかに上手にPTCAを行ない,ステントを留置しようと,日本全体で年間約2万人の患者が再狭窄で苦しんでいることになる.その治療にかかる費用も莫大であり,大きな問題となっている.最近,そういった再狭窄を防止するための新しい方法がいくつか開発され,明るい兆しが見えている.
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