フロントライン'99 代替医療
アロマセラピーを補助的療法として取り入れるには
小山 めぐみ
1
1朱クリニック
pp.842-845
発行日 1999年9月1日
Published Date 1999/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905924
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私とアロマセラピーとの出会い
約4年程前の1995年頃,私はある大学病院救命救急センターで看護婦として,主に重傷熱傷患者のケァに携わっていました.受傷者らは,集中治療目的のために個室管理を余儀なくされ,激しい痛みや不安,体動の制限など,昼夜を問わず苦痛にさらされていました.目にみえるものは天井の白熱灯と壁,聞こえるものは心電図モニターとレスピレーターの音,もちろん食べものの味を感じることもできず,包帯ぐるぐる巻きの体は人との温もりさえも遮り,絶えずストレスにさらされていたのです.また,治療とケアにかかわるスタッフも,その環境と熱傷特有の臭いに精神的苦痛を感じることもしばしばでした.
人が生きるにあたっては,視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚という五感のバランスをとるということは大切な要素であると思います.しかしながら私は,集中治療室では五感をバランスよく患者に与えることも,自身が感じることもありませんでした.お互いに日々図りしれないストレスのなかで多くの時間を費やし,ライフスタイルの豊かさから疎外されることは治療効果にさえ影響してくるのではないかと,次第に感じるようになりました.
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