連載 臨床実践
今日からのリスクマネジメント実践講座・5
組織で取り組む(1)—その基本:「考え方」と「実践のシステム」—進化するリスクマネジメント:キーワードはProactive
鮎澤 純子
1
1東京海上メディカルサービス株式会社メディカルリスクマネジメント室
pp.488-493
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905844
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組織の取り組みが必要な理由
事故を起こさないこと—医療職としてあまりに当然の課題であるがゆえ,これまでその取り組みは,個人に,そしてせいぜい職種や部署単位に,任せられてきました.しかし,医療を取り巻く環境が大きく変わり,医療のあり方も大きく変化しつつある今,事故防止の取り組みもこれまでと同じというわけにはいきません.
医療が高度化・専門化するなか,医療の現場で起きる事故も複雑になってきています.もうすでに,事故防止の取り組みは,これまでのような,個人,職種,部署単位といった取り組みでは手に負えなくなってきているのです.事故を起こしたということに対する社会の評価も,これまでの比ではないほど厳しくなってきています.そうした現実を認識した時,組織としての新たな取り組みとして,リスクマネジメントがその候補にあがるのです.
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