研究と報告
婦人科における動脈注入化学療法の不安・苦痛緩和への援助
阪上 雅
1
,
石田 利恵
1
,
炭谷 康子
1
,
関 さゆり
1
1大阪労災病院西3階病棟
pp.204-207
発行日 1999年2月1日
Published Date 1999/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905782
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はじめに
当病棟では,子宮頸がんIIb以上の患者に対して,抗がん剤を腫瘍の栄養血管(子宮動脈)に選択的に投与する動脈注入化学療法(以下,動注と略す)を行なっている.従来は手術不適応と診断される子宮頸がんIIbおよびIII以上の症例には放射線治療のみを行なってきたが,動注により腫瘍が縮小し,手術適応となり大きな効果を得ている.しかしその反面,患者はこの治療の際,両側大腿動脈を穿刺することから,圧迫止血後翌朝までの約15時間の臥床安静を強いられる.そのため,安静に伴う腰背部痛などの身体的苦痛を訴える患者が多くみられた.また,最近行なわれ始めた治療のため,動注という治療がどういうものでどんな経過をたどるのかイメージがわかないこと,治療前のオリエンテーションが確立できていなかったことから,患者の不安が強いのではないかと考えた.
そこで,患者の動注に対する不安・苦痛の原因を調査し,患者がより安楽に治療を受けられるための援助とは何かを分析し,実施していったので,ここに報告する.
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