特集 異なる職種との対話—そのとき互いに何を考えたか
薬の効果を高める薬剤師と看護婦の役割分担
太田 久美子
1
,
佐々木 千香子
2
1北里研究所病院薬剤部
2北里研究所病院看護部
pp.921-926
発行日 1998年10月1日
Published Date 1998/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905683
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臨床薬剤師がでてきた背景
編集室 最近,薬剤師がベッドサイドにでていく動きがあちらこちらの病院でみられますが,どういったことを目指しているのか,背景を含めて教えてください.
太田 医薬分業がいわれるようになって,外来患者の薬は院外の薬局で扱い,その代わりに病院に勤めている薬剤師は入院している患者のためにもっと働きなさいと行政が変わってきたことが背景にあって臨床薬剤師が増えています.同時に,薬剤師の側により重症な入院患者のための仕事にかかわりたいという考えもありました.入院患者のために働くということは,入院患者の正しい薬剤使用にかかわっていくということです.服薬指導もその1つですし,注射薬を1人ずつセッティングしたり,混合したりすることもあるわけです.そしてそれは10年ほど前から保険でも点数として認められるようになり,今は「薬剤管理指導料」として,患者に面接して服薬指導を行なうことを中心とした一連の業務に対して点数がつくようになっています.病棟に薬剤師がいくことに保険の点数がつくことで,社会的にも認められた仕事として確立したといえます.最初は1か月に100点1000円だったものが,今は最高で960点までとれるようになり,これまで数少ない大病院でしかやっていなかったことが,今は中小の病院にまで広がっています.
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