特別記事
低ADL(高齢)患者に対する腹臥位療法のすすめ—老人医療費削減の今だからこそ
有働 尚子
1
1医療法人親仁会みさき病院神経内科
pp.642-649
発行日 1998年7月1日
Published Date 1998/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905628
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
近年,我が国も本格的な高齢化社会を迎え,脳血管障害や種々の慢性疾患に起因する寝たきり状態に陥った高齢患者の増加は社会的にも特に重要な問題となっており,今後ますます深刻さを増していく傾向にある.
このような状況に際し,寝たきり状態の合併症が生じてから治療するというサイクルで行なわれてきた従来の老人医療の受け身的姿勢を反省するとともに,高齢者が寝たきりの状態で延命治療を継続されるのではなく<生きたヒトとしての生活>を最大限謳歌できるような〈全人間的アプローチ〉の1つとして,また,介護保険導入や在宅医療が奨励される現在の医療情勢の中で,いつでも,どこでも,誰でも,安価に施行可能な<寝たきり予防>の一方法として,今回<腹臥位療法>を紹介したい.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.