連載 はっ!おやっ?ウーム…From MSW・6
新しい時代の幕開け—精神保健福祉士(PSW)法成立
村上 須賀子
1
1広島市立安佐市民病院
pp.251
発行日 1998年3月1日
Published Date 1998/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905547
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写真入りの年賀状が届きました.女学生のようにはにかんだミニスカート姿の彼女と,満足そうな笑顔で目を細めた彼.いまにも葉書から笑い声がもれてきそうです.添え書きに「昨年はご心配をおかけしてスミマセンでした.おかげ様で2人とも元気で暮らしています.6月には披露宴を予定していますので,またご案内させていただきます」とあります.私は嵐のようだった1年前の年末年始を思い出し,「ほんとうに無事でいてよね」とつぶやいたものです.
彼は同僚の金銭トラブルに巻き込まれたことを契機に発病,サラリーマンを退職し,神経科に通院中でした,私が主治医から社会復帰の依頼をうけたのは,発病から5年が経過した頃です.私は生活訓練のために,精神障害者の援護寮に入所し,そこから職業訓練のために授産施設に通うことを勧めました.入所後も外来受診時に,生活ぶりを報告してくれていましたが,ある日「会ってほしい人がいるんだ」と恋人ができたことを打ち明けられました.相手の女性は,長い入退院の療養生活後の社会復帰訓練中で,同じ精神障害者の授産所に通所している人でした.それかち2人は「ステップバイステップでね.」という私の忠告もなんのその,あれよ,あれよという間に就職し,新居を構えたのです.
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