特集 進歩する医療技術と看護
がん医療の最前線で看護に求められること
萬田 良子
1
1国立がんセンター中央病院
pp.1128-1133
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905483
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はじめに
1981(昭和56)年に「がん」が日本人の死因の第1位になって以来,現在なお上昇の傾向にあり,1995(平成7)年には26万人(全死亡者の26%)の方が亡くなっている.また一方では毎年平均寿命が延長し,少子化現象も加わって急速な高齢化社会へと進行している.
21世紀におけるがん医療は,すぐれた診断・新たな治療の開発が期待されているが開発の基本的な考えは,従来の治療効果のみを期待する医療のあり方から,個人に目を向けた患者のQuality of Life(以下QOL)重視の対応が求められている.がん医療における看護婦は高度化する医療の中にあって,がん看護のスペシャリストとして,最適なケアができるために専門的知識,すぐれた技術をもって,人権を尊重した対応ができるよう育成されなければならない.がんセンターでの現状から,がん医療における看護の役割について考えを述べる.
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