特集 在院日数短縮と看護の関係
看護の工夫と在院日数短縮
人員増,病床管理,看護業務のソフト改善などトータルな取り組み
梶原 和歌
1
1医療法人近森会
pp.1023-1027
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905462
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はじめに
高知県は人口10万人あたりの病院数・病床数ともに日本一で,平均在院日数も全国平均の1.6倍におよび5000床〜6000床の病床削減がうわさされている地域である.医療法人近森会は高知駅近くに3つの病院と老健施設,2つの訪問看護ステーション,そのほかいくつかの付帯機能を持ち,急性期医療から在宅ケアまで24時間・365日対処することをモットーにした集合体である.ベッド数は672床,看護部人員は455名である.本年7月の平均在院日数は本院の近森病院が19日,近森リハビリテーション病院68日,精神科の第二分院113日,老人保健施設いごっぱち13日,近森会全体として27日となっている.しかし,10年前は3分の2が寝たきり患者で,残り3分の1を救急で回し,付添婦のついた普通看護の民間病院であった.
超高齢国家と少子化現象に対する準備として厚生省からうち出されるさまざまの施策に先んじて取り組んできたことは,①基準看護体制にすること,②総合医療情報システムを完成すること,③リハビリテーション専門病院を開設すること,④本院の新館建築などであった.ついで「在宅介護支援センターえのくち」の開設,「訪問看護ステーションちかもり」「老人保健施設いごっぱち」「ホームヘルパーステーションえのくち」「配食サービスセンター」などが開設され,急性期から在宅まで一貫したリハビリテーションシステムが完成した.
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