院内管理のレベル・アップ 麻酔
麻酔部門の問題点・2
麻酔医の養成と人員管理
浅山 健
1
1癌研究会付属病院麻酔科
pp.58-59
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206155
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専門の麻酔医の足りぬことがようやく表立ってきた.たとえば51年8月15日付の朝日新聞は「大阪大学法医学教室が全国43施設で調べた最近10年間の医療事故死474人の内訳をみて,麻酔によるものが180人と最も多いこと…」,この調査を担当した四方教授の「麻酔専門医が不足しているため」との記事を掲載した.他方,武見日医会長は"安心できる救急医療"(昭和51年8月20日付日医ニュース)で救急病院で手術を行うには,麻酔医がいなければできないと記した.
さて,需給が緊迫しているところにはさまざまの狂い現象が生じる.たとえば悪名高い麻酔のアルバイト診療であり,自分の勤務する大学の医局や大病院での麻酔需要を横にみて,他の中小病院へ出張して報酬を受け取ることが行われている.このアルバイト麻酔医を受け入れる中小病院では,麻酔医が"人員管理"の外に置かれている好ましくない現象が生じている.なまはんかに管理権を持ち出せば,翌週からこのアルバイト出張がなくなって,病院の手術ができなくなるのを恐れるわけである.
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