特別記事
今こそ看護単位の見直しを
伊藤 誠
1,2
1日本医療福祉建築協会
2足利工業大学建築学科
pp.753-760
発行日 1997年8月1日
Published Date 1997/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905407
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はじめに
日本の病院の建築的水準は着実に向上してきた.特に近ごろ竣工した病院の中にはかなり立派なものが見受けられる.ことに診療部門の充実ぶりなど,すでにしばしば指摘してきたところではあるが,世界的に見ても決して見劣りしない.遅れが言われていた病棟にも,患者にとってのアメニティーとか療養環境への配慮ということで,少しずつではあるが着実な前進が見られる.
しかし,この病棟に新たな問題が発生しつつある.もっと正確に言えば,放置されたまま今日に至った問題が,にわかにクローズアップされ,我々に向って解決を迫っているのである.それは何かと言えば,いろいろな理由で病棟の面積が大きくなってきたことにより,看護活動のための動線がどんどん伸びていることだ.これはただちに看護の質の低下に結びつく.由々しいことではないか.
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