連載 ケアって何だろう・6
深層の時間とケア
広井 良典
1
1千葉大学
pp.576-583
発行日 1997年6月1日
Published Date 1997/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905367
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前々回からターミナルケアの話に入り,前回には筆者らが1月に行なった海外調査をふまえて,イギリスとスウェーデンにおけるターミナルケアの新しい動向について述べた.そこでの基本的な問題意識は,これからの日本で80歳前後以上の「後期高齢者」の死亡の増加が急増するなかでの「福祉主体のターミナルケア」の必要性というものであり,筆者らは海外調査と並行して国内の「特別養護老人ホームでのターミナルケア」の実態調査を行ない,現在ほぼとりまとめを完了しつつある。
今回は,調査結果の紹介に入る前に,そうしたターミナルケアや,その根底にある「老いと死」というものをどのようにとらえるかという点について,少し新しい視点から考えてみよう.
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