グラフ
ひとりの在宅生活をみんなで支える—頸髄損傷患者・古跡博美氏の在宅生活を支援する人びと
古跡 博美
1
,
坪内 喜則
,
本誌編集室
1広島市立安佐市民病院
pp.420-425
発行日 1997年5月1日
Published Date 1997/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905335
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障害をもった人が在宅へ移行する場合,その生活を支えるための情報,システム,マンパワー,マネジメントが必要である.今回紹介する,古跡(こせき)博美氏が在宅に移行するとき,そのすべてが整っていない状況だった.しかし,古跡氏と家族の「家で暮らしたい」という思いは強く,その思いを現実のものにしようという人びとの熱意とかかわりによって,難しいと思われた在宅生活が実現し1年を迎えた.以下に,古跡氏の在宅生活とそこにかかわる人びとの実践を紹介する.
広島県三原市に住む古跡博美さん(39歳)は,上咽頭腫瘍・頭蓋内浸潤放射線性脊髄変性症による四肢麻痺・呼吸麻痺で,人工呼吸器を装着している.91年から5年間の入院を経て,96年3月自宅に戻った.家業はとうふの製造・卸で,妻の香苗さん(37歳)と小学6年,4年,2年の3人の子ども,63歳の古跡さんの母と同居している.
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