特集 “退院後”に目くばりを—社会資源を使いこなす
効果的な社会資源の活用—ナースと他職種の連携の実際
②がん患者の場合
前田 景子
1
,
近藤 まゆみ
1
1北里大学病院総合相談部
pp.231-234
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905294
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
当院は許可病床数1069床の総合病院で,第3次救命救急センターを持ち,特定機能病院としての役割を担っている.入退院患者数は1日平均約40人で,平均在院日数は22.8日である.急性期の対応が中心で,慢性期への移行と同時に退院もしくは転院となる.
総合相談部は保健婦,ソーシャル・ワーカー(以後SWと訳す),がん専門看護師(以後OCNSと訳す),栄養士,事務が常駐し,患者・家族が病気とともに安心して生活ができるように,相談・訪問などの援助を提供している.疾病構造の変化に伴い,当院でもがん患者やその家族へのかかわりは近年増加しつつある.人生のQOLとの関係から在宅療養を希望する患者や家族が増え,点滴やチューブなど医療管理を必要とする状態で退院することが多くなった.それとともに,在宅療養の患者や家族を支える社会資源も多様化してきたという現状がある.患者や家族はこれらの社会資源をどのように活用すればいいのか,また,効果的に活用するために,我々はどのように援助していけばいいのか,事例を通して考えてみたい.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.