連載 私が老人看護に魅かれる理由・2
施設と在宅の中継点で見た現実
山里 千栄子
1
1初富保健病院看護部
pp.568-571
発行日 1996年6月1日
Published Date 1996/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905112
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神経内科の個人病院に併設された老人保健施設は,2階建ての小じんまりとした建物だった.個室8,2床室2,4床室9の計48床あり,患者1人当たりの居室面積は,医療法で定められている8.0平方メートル以上というゆったりとしたものだった.一般病院の患者1人当たりの居室面積(4.3平方メートル以上)の約2倍近い.
このほか内装も木目調の壁紙や明かり取りの窓に障子を入れるなど,一般の建物に近づけた柔らかく落ち着いた感じになっていた.各室の入り口に洗面台とアコーディオンカーテンで仕切られたトイレがあり車椅子がはいれるスペースと手すりが取りつけられている.食事は療養食でなく,1階の食堂に移動してとることになっていた.リハビリによって家庭での生活に戻ることを目的としているので,入所者は起床後は必ず私服に着がえ,寝間着で1日過ごすということはなかった.
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