連載 —海外文献紹介—Current Nursingピックアップ・27
ケアリングの概念と研究—Kristen M. Swansonの研究から
川原 由佳里
1
1日本赤十字看護大学博士後期課程
pp.554-557
発行日 1996年6月1日
Published Date 1996/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905108
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ケア/ケアリングについて
ケア/ケアリング(care/caring)という言葉には「心配する,気にかける」「世話する,看病する」などの意味がある.看護ではケアという言葉は,従来より「慢性疾患患者のケア」「褥瘡ケア」のように広く看護行為を指すものとして用いられてきたが,今世紀前半よりケア/ケアリングを,看護の本質を意味するものとして扱う傾向がみられるようになった.
たとえばクルーター(Frances R. Krueter)は,1957年のNursing Outlook誌で「ケアとは治療とは同類ではない……ケアはお情け(sufferance)や寛容さ(tolerance)ではなく同情(compassion)を,責任を果たすという気持ち(asense of duty)ではなく優しさ(tenderness)と思いやり(consideration)を,無関心さ(indifference)の代わりに関心(respect)と配慮(concern)を求めている」と述べ,「この人々のために手助けをするという姿勢のない看護活動はすべてケアではない」と言いきっている.
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