特別記事
医療を評価する試み(その1)
中野 夕香里
1
1日本医療機能評価機構調査研究部門
pp.330-334
発行日 1996年4月1日
Published Date 1996/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905058
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医療を評価することへの社会的な要請が強まっている.このことはこれまで,医療技術の高度化,多様化と疾病構造の変化,国民の生活水準の向上,価値観の多様化などの医療を取り巻く社会環境の変化により説明されてきた.“医療を評価する”ということは,医療の提供状態を把握し,その適切性について判定したり,問題点の所在を明らかにしようとすることである.わが国には多数の医療施設が存在するが,それぞれの役割や機能は一様ではなく,また,同じような役割をもつ複数の医療施設間においても医療の提供状態には差がある可能性がある.さらに,このような状態を反映する情報は,医療提供者—消費者間のみならず,医療施設間,医療従事者間においても,十分に共有されているとはいえないのが現状である.
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