特集 がん患者の症状マネジメント
がん患者の苦痛に対する援助—症状マネジメント—「死にたい」と思う症状は身体的痛みだけではない
近藤 まゆみ
1
1北里大学病院総合相談部
pp.210-213
発行日 1996年3月1日
Published Date 1996/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905030
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はじめに
循環器科や産科などの専門病院は別として,いまやがん患者はほとんどの病院に入院していると言っても過言ではない.実際に筆者が勤務している北里大学病院では,入院患者の約25%ががん患者(平成7年8月18日調べ)で,こんなにいるのかと驚愕した.特に成人系の病棟ではその数は1/3以上にのぼる.看護婦たちががん患者のケアやターミナルケアに関心を持ち,また,そのケアの難しさに悩んでいるのは,このような数多い患者と家族の大きな課題に直面しているからであろう.
筆者は,この北里大学病院で平成6年度からOCNS(オンコロジークリニカルナーススペシャリスト)として仕事をしている.仕事の内容はがん看護分野における患者や家族への直接的ケアや教育・指導,また,看護婦・医師・その他のコメディカルを対象としたコンサルテーション・教育,研究が主な仕事である.
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