連載 カラーグラフ
なるほど人体—Human Body World・2
胃のはたらきと粘膜の役割
坂井 建雄
1
SAKAI TATSUO
1
1順天堂大学医学部・解剖学第一講座
pp.98-101
発行日 1996年2月1日
Published Date 1996/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905003
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私たちは食べ物を「胃袋」に収め,消化を助けるために「胃腸薬」をのみます.「胃腸」は,いわば消化器の代名詞です.胃と腸は,食べ物を消化し栄養分を吸収する仕事を協力して行ないます.でも,胃と腸は,この消化吸収という仕事を,どのように分担しているのでしょうか.今回は,特に胃の役割について話をしましょう.
食べ物は,口でよく咀嚼されてから飲み込まれ胃に収まります.胃は腹のなかにあるので,食べ物は頸と胸を通り抜けなければなりません.この食べ物の通り道は,頸では咽頭,胸では食道とよばれます.どちらも食べ物を通すだけのただの管ですが,咽頭のところでは食べ物の通路と空気の通路が交差して,少し複雑になっています。でも咽頭については,呼吸器のところで詳しくお話しすることにします.
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