連載 —海外文献紹介—Current Nursingピックアップ・17
文化の異る患者への看護
坂口 千鶴
1
1日本赤十字看護大学
pp.788-791
発行日 1995年8月1日
Published Date 1995/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904876
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はじめに
アメリカは「人種のるつぼ」と呼ばれ,世界中の国々からの移民で成り立ち,それぞれの民族がコミュニティをつくり,独自の文化を共有形成している,違う文化的背景をもつ人々が社会のなかで共存していくには,互いの文化を尊重し,理解し合うことが必要となる.特に,人間を対象とする医療者にとっては,その人を理解するうえで,成長してきた文化を知ることは非常に重要なこととなる.
Leiningerは,Transcultural Nursingという概念の必要性を説き,文化的価値や信念は健康への援助活動にとって基本となると主張している.文化とは,「あるグループのメンバー間で共有され時間を通して他に伝えられてゆく,学習された行動や価値のパターン」と定義され,そのなかには習慣,信念,知識,言語,道義,社会的グループの技巧が含まれる.
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