特集 精神科的問題をもつ患者と向き合う
一般診療科受診患者における精神的問題の動向—WHO国際共同研究の結果から
中根 允文
1
,
田代 孝子
1
1長崎大学医学部精神神経科学教室
pp.756-758
発行日 1995年8月1日
Published Date 1995/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904870
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はじめに
近年,医療における全人的・包括的ケアの必要性が叫ばれて久しい.身体診療科においても,精神医学的見地を含めた心身両面からのアプローチが求められるようになってきた.しかしこのための基礎的資料,すなわち,身体診療科受診患者における精神疾患の頻度,病態などについての調査研究はまだ多くない.
このような状況をふまえ,世界保健機関(WHO)は1990年「一般診療科における心理的問題に関する国際共同研究」を計画した.その目的は,一般診療科受診患者における心理的・精神的障害の分類や頻度,経過の実態を把握し,将来の指針をさぐることである.われわれの研究室は,WHO指定協力センターであることから,この共同研究に参加した.
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