緊急特報 阪神大震災,その時看護は……
その時,高度医療の現場では—神戸市立中央市民病院集中治療部からの報告
浅川 珠美
1
,
大森 幸子
1
,
西海 靖子
1
1神戸市立中央市民病院看護部
pp.476-478
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904810
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リーダー業務を支えてくれた「メンバーシップ」
5時46分,その時私は6名の看護婦と共に勤務中で,一番軽症のAMI7病日目の患者A氏を受け持ちながらリーダー業務をしていた.ICU患者は16名で,その日は重症患者が多いながらも比較的落ち着いた夜を過ごし,8時の申し送りに向けて「あと一息」と,思っていた矢先の出来事だった.
最初に揺れが来た時は,何が起こったのか全く分からず,「もしかして地震?」と,思った時には立っていることもできなかった.そのうち振動でストッパーが跳ね上がりベッドが動き出した.恐怖と同時に「私は何をしないといけないのか?」と,自問自答していた.10分にも15分にも感じる長く怖い15秒だった.揺れが収まった瞬間,私は立ち上がりながら「アンビューもんで」と,大声で叫んでいた.
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