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私たち看護婦の知らないくすりの話—くらしの中の化学と生物 1—今話題のくすり—開発の背景と薬効
伊藤 美樹子
1
1東京大学医学部保健社会学教室
pp.390-391
発行日 1995年4月1日
Published Date 1995/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904788
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- 文献概要
本書は,日本農芸化学会の創立70周年の記念事業の一環として刊行された「くらしの中の化学と生物」シリーズの第1巻である.ちなみに続巻は,「お酒のはなし—酒はいきもの」(第2巻),「ヒット食品開発の発想と技術」(第3巻)である.いずれも,学生や一般読者に農芸化学を広く理解してもらえるよう専門的な内容は,なるべく平易に説明する努力がなされている.
さて,これは「くすり」の本であるが,患者が自分に処方されている薬の薬効や副作用などについて調べるときに活用するような類のものではない(「病院のくすり薬局のくすりくすりの事典」成美堂出版,「95年度版医者からもらった薬早わかり事典」主婦と生活社など).また同時に「開発の背景」の本でもあるが,新薬開発やその売り込みにおける製薬業界の人々の安全性追求の態度について考えさせてくれるA.ヘイリーの小説「ストロング・メディスン」(永井淳訳,新潮社)とも趣を異にする.
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