学生の広場(最終回)
初産婦に対する退院に向けての指導—効果的に母親役割を取得するために
大里 寿磨
1
1杏林大学医学部附属看護専門学校
pp.1129-1133
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904703
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はじめに
江守は,「産褥期ではこの自律神経の支配に関係深い母性ホルモンなどの内分泌系が急激に低下するため,心身ともにバランスを崩し,自律神経機能の変調をきたしやすい.また…(略)…精神的不安定状態になりやすい.一方,分娩を無事に終了した褥婦は,心身の消耗にもかかわらずこの上ない安堵感と幸福感に満たされる.しかし,分娩終了と同時に,今度は育児という新しい課題が出現し,母としての役割を担わなければならなくなる」1)と述べている.
今回,母性看護実習で受け持たせていただいたKさんは,無事に分娩を終了した幸福感と,初産からの育児への不安がみられた.そこで,Kさんに対し,退院に向けての指導を通して効果的に母親役割を取得できるように看護を展開した.今回の実習を振り返り,初産婦に対する退院時の指導について考えていこうと思う.
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