ケースレポート
初産婦への継続看護—母親モデルの乏しい一事例を通して
今関 節子
1
,
二渡 玉江
1
1群馬大学医療技術短期大学部看護学科
pp.148-154
発行日 1983年2月25日
Published Date 1983/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206184
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
人は誰でもまだ遭遇したことのない新しい問題に直面したとき,どのように取り組んだらよいのか,その対応に困難をきたす場合が多い。しかし,大部分の人はそれまでに思いのほか力を備えていて,無事のりこえていけるものである。はじめて母親になるということも,大変な適応力を要求されるものであり,次の世代の精神的健康のためにも,無事のりこえてほしい人生の重要なステップであると考える。
しかし,これらすべてののぞましい適応には,課題に直面したとき,あらかじめ備えているべき条件が満たされていて,はじめてスムースにいくと考える。そこで現代の新しい母親群をみたとき,核家族化の進行と相まって幼少時より育児の体験や育児場面をみる機会に乏しく,子供を抱いたり世話をするのは自分の子供がはじめてという母親も少なくない。このことは,母親へのステップのためには,1つの不利な条件になっていると考える。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.