特別記事
放射線看護基礎課程新設の5W1H
上島 久正
1
,
渡利 一夫
1
1放射線医学総合研究所養成訓練部
pp.534-538
発行日 1994年6月1日
Published Date 1994/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904564
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放射線医学総合研究所養成訓練部では,医師・診療放射線技師・研究者などに,放射線の利用および安全にかかわる卒後教育を実施してきた.一方,看護婦(士)への放射線教育は,その利用に関する事項を主体に看護婦(士)養成機関・医療機関においてなされている.最近の放射線・放射性物質の利用の増大・多様化に伴い,看護婦(士)にも放射線防護に関する知識・技術が一層要求されるようになってきた.例えば,患者とじかに接する看護婦(士)が,放射線治療あるいは核医学検査を受けた患者の看護・介助などとともに,医療被ばくについて患者の相談に応じる機会も多くなるものと考えられる.また,看護婦(士)が放射線防護に関する知識を持ち合わせていることは,看護婦(士)や患者の放射線防護のためだけでなく,放射線診療において患者の協力を得るためにも必要と思われる.
そこで私たちは,1993(平成5)年7月20日から9月15日にわたり全国の1157機関を対象に,看護婦(士)の放射線防護に関する研修課程の新設についてアンケート調査を実施し,その結果に基づいて1994(平成6)年度より「放射線看護基礎課程(定員20名・年2回)」を開設する運びとなった.「アンケートの集計結果を知りたい」との回答者の要望に答え,回答者の生の声を紹介しつつ,「放射線看護基礎課程」開設にいたった経緯を述べてみる.
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