連載 私が透析看護に魅かれる理由・2
若い患者たち
大坪 みはる
1
1西部腎クリニック
pp.370-373
発行日 1994年4月1日
Published Date 1994/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904521
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帰る家がないの
私が最初に接した透析患者は,当時22歳の女性,藤野さん(仮名).1969年4月,国立病院に就職したばかりの私の前を,「目が見えない!目が見えないよ!」と叫びながら病室に搬送されていく藤野さんの姿があった.彼女はすぐに腹膜透析が開始され,2か月後には血液透析が適用された.
人工透析の医療保険適用は,これより2年前に認められていたが,保険適用以前は,「金の切れ目が命の切れ目」と言われていたほどの高額治療であり,保険家族の場合であっても,一部負担だけでかなりの高額になっていた.
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