特集 看護から“ケア”へ—新たなる価値づけ
[座談会]ケアに込められた意味
外口 玉子
1
,
中山 洋子
2
,
高田 早苗
3
,
木下 幸代
3
1社会福祉法人かがやき会
2聖路加看護大学
3聖路加看護大学大学院博士課程
pp.306-313
発行日 1994年4月1日
Published Date 1994/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904507
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中山 アメリカで“ケアリング”という言葉が流行して,それが日本にも影響を与えてこの数年,日本の看護界でもケアリングという言葉がよく聞かれるようになりました.ケアリングという言葉をうまく日本語に置き換えられないためにそのまま使っているのだと思いますが,それと同様に“ケア”という言葉も片仮名のままでずっと使われてきています.なぜ“看護”という言葉に置き換えられないのだろうかという素朴な疑問から,なぜケアという言葉を使うのかについて,高田さん,木下さんと私の3人でいろいろな文献をひもといてみました.
そのなかで,外口さんはかなり早い時期にケアという言葉を使っている人の1人でした.近著である『人と場をつなぐケア』では「人が人を支える,それを基盤にしてケアというのは成り立つ」という形で,ケアの定義というべきものを明確に出していました.特に最近は看護ではなくてケアという言葉をかなり意図的に使っているように感じましたので,今日はその辺の話をうかがいたいと思います.
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