特集 看護フォーカス'94
[新春対談・2]看護大学化—言わせてもらえば
関根 龍子
1
,
宮子 あずさ
2
1国立療養所東京病院附属看護学校
2厚生年金病院
pp.24-29
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904441
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宮子 看護学校の大学化はすでに進んでいて,それ自体は時代の趨勢としていいことだと思うんです.ともかく設置基準が違いますから,施設的にも,人的資源も充実するだろうし,国の助成も得られるでしょうし.また,4年制になるということもいいことだと思うんです,3年じゃすごくきついから.けれどもそう思いつつも,一方で,釈然としない気持ちが残る.それは1つには,専門学校はだめで大学はいいという言い方,論調があって,それが非常に図式的なものの見方であるという気がするわけです.そしてその中で,圧倒的多数の看護学校卒の看護婦が落ち込みがちになっているんじゃないかと心配でなりません.確かに,看護は大学教育じゃなくていいという意識自体は,看護婦を低く評価するものだと思う.事実その見方からすれば,看護婦の地位を大学化によって図ることは,間違っているとは思いません.しかし,それを今すでに生まれている看護学校卒の看護婦を否定的にみる価値観にはつなげてほしくない.そこで,まず関根先生にいかがいたいのは,大学と専門学校ではどれだけ違うんだろうかということです.
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