特集 介護を担う隣人たち
介護の専門化が進む中で,いま看護職のアイデンティティが問われる
栗原 知女
pp.978-983
発行日 1993年11月1日
Published Date 1993/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904389
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はじめに
1987年に「社会福祉士及び介護福祉士法」が制定され,介護福祉士という名の国家資格が誕生した.この時,「看護婦の仕事を奪われるのではないか!」と,ショックを受けた看護職は少なくなかったようだ.ある老人看護学の研究者は,当時を振り返ってこう話す.
「治療中心の医療からケア中心の医療へと時代の流れが変わり,看護職がようやく医師の束縛から解放されて,自分の足で歩けるフィールドができようとしている時に,ジャマが入ったという気持ちでした.介護専門職というからには,その専門性の中心は生活援助技術でしょう.となると,看護の仕事が奪われてしまうのではないかと本気で心配しました」
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