焦点 患者の生き方を見つめる
ALS患者の喪失体験とグリーフワーク―作業療法士の視点から
島田 理佐子
1
1北里大学東病院リハビリテーション部
pp.960-965
発行日 1998年12月10日
Published Date 1998/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902276
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はじめに
最近では,リハビリテーションという言葉が日常の会話にも使われるほど一般化してきたが,この言葉が身体障害者の社会復帰のために用いられるようになったのは米国で,第1次世界大戦の終わった1918年頃であった1).戦争により手や足を失い,障害を負った人々に対して,残された機能を最大限に使い,「まだ何かできることがあるんだ」ということを認識させながら,社会復帰を促すために行なわれたといわれている.
このリハビリテーションという言葉には,再適応という意味が含まれている.疾患や外傷によって身体に機能低下をきたした状態では,それまでの当たり前の生活が遂行できなくなる.そこで,もとの生活に戻る,つまり再適応するための機能回復訓練や代償機能の導入,社会資源の利用などの援助のすべてがリハビリテーションとなるのである.
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