連載 私が小児看護に魅かれる理由・5(最終回)
いのちのそばで想うこと(5)—家族とともに
白土 陽子
1
1都立北療育センター
pp.470-471
発行日 1993年5月1日
Published Date 1993/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904276
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1年程前の本誌での座談会(56巻6号:特集座談会「より良く生きるために」がきっかけとなり,小児患者の看護の魅力について,日頃の思いを書いてみませんか,という依頼を受けた.その時,私の脳裏にはそれまで関わりを持った,多勢の子どもたちの笑顔が浮かんできた.家族に抱かれて退院していった子は,嬉しそうに手を振りながら「バイバイ」をしていた.退院すらできそうにない子は,施設での生活を余儀なくされている.苦しんで亡くなっていった子は,きっと天国で安らかにやすんでいるのだろう.
そのような子どもたちが,病室という特殊な環境で経験したこと,私たちの看護をどう受け止めたのか,その中で何を語りたかったのだろうか,拙い経験ながら,改めて自分自身の気持ちを整理する機会なのではとも考え,この依頼を引き受けた.
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