連載 私が小児看護に魅かれる理由・4
いのちのそばで想うこと(4)—輝く瞳に励まされて
白土 陽子
1
1東京都立北療育医療センター
pp.368-369
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904252
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喜びと悲しみは半分こ
「看護婦である前に人間であれ」という言葉を私はモットーにしている.当たり前のことなのだが,これにはかなり厳しいものがある.患者の前に立つ時,人間であることに,看護婦という衣を身にまとい人と接する.どんな時でもそうであろうが,その人の人間性というものは必ず,自分に跳ね返ってくる.これは,人と人の間で生きている者の宿命である.感情を持っているのが人間だから,悩み,苦しみ,悲しむこともあり,その逆に喜び,楽しみ,幸福感もある.
「喜びと悲しみは,半分半分よ」と誰かが言っていた.私はこの言葉を,辛い時に思い出しては励みとしている.そして,晴れて婚約に至った,時の人,皇太子様の御母堂美智子皇后のお言葉を拝借すれば,
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