特集 初の専門看護婦誕生か—日本救急医学会看護部会の試案をめぐって
認定救急看護婦はどういう働きをするのか
満尾 正
1
,
島崎 修次
1
1杏林大学医学部救急医学教室
pp.412-413
発行日 1993年5月1日
Published Date 1993/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904265
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
昨年イギリスの集中治療室を見学した際,印象的だったことがある.一看護婦がスワン・ガンツ・カテーテルの測定を行ない,心拍出量測定後,酸素消費量や酸素運搬能の算出まで行ない,さらにはそれらの計測値が至適水準に達するにはどのような治療方法を選択するべきか,医師と堂々とディスカッションしていたのである.また,ある患者の栄養管理について尋ねたところ,これも看護婦が投与カロリー数値から適正投与量であるか否かまで実に明快に解答してくれた.その時は日本の研修医の知識レベルよりも確実に上だなと内心驚いた経験がある.
確かに欧米の場合,看護婦1人当たりの患者数が少ないという事実もあるが,一般に欧米の施設の看護婦の知識レベルはきわめて高いといえるし,わが国と比べ,より積極的に治療に参画しているように思われる.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.