なぜ，今歴史なのでしょう？—看護史を見直してみよう

はじめに

　浅学の私が話を切り出すことに，ためらいは大きいのです．でも若い皆さんに歴史の奥にある面白さを知ってもらいたく，また看護史学習に誘いたいという願いも強く，思い浮ぶことを語ってみたいと思います．

　私自身は，保健婦として出発し，その後学校保健，小児保健の仕事で長く教職として働いてきた実践者の1人です．この現場で働く実践者の立場で歴史を学ぶことの重要さが，年々痛切に感じられて来たことが，私の看護史学習の歩みでもありました．その自已学習の足どりの中から想起されるいくつかの事柄を手がかりに，看護史学習の魅力を探ってみましょう．