連載 図解—知っておきたい病態生理・19
脳梗塞の病態生理
西崎 統
1
1聖路加国際病院内科
pp.658-664
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903777
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米国では,1990年代の半ばから従来用いられていたHeart Attach(虚血性心疾患)と対をなすように,Brain Attachという言葉が頻繁に使われるようになりました.これは脳梗塞も心筋梗塞同様,超急性期の適切な治療が予後を改善するという認識を広くアピールするための象徴的な言葉として使われ始めたようです.とはいえ,Brain Attachは日本語に直せば脳卒中.わが先人は,既に絶妙な言葉で脳血管障害の特徴を言い表していたといってよいでしょう.
脳卒中(脳血管障害)とは,まさに脳が卒然と邪風に中(あた)り倒れる病気.このなかには,(1)脳の血管が詰まっておこる脳梗塞,(2)脳の細い血管が破れて脳内に出血する脳出血,(3)脳を覆う軟膜とその外側のクモ膜の間を走る動脈が破れておこるクモ膜下出血,の3つが含まれています.今回はこのうち脳梗塞の病態生理について考えてみましょう.
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