学ぶ 連続講義
北米の退院マネジメントと在宅ケア事情
第1講カナダにおける高齢者の退院マネジメント
Joan Lindsay
1,3
,
島内 節
2
,
栗盛 須雅子
2
1カナダ保健省
2東京医科歯科大学
3Ph.D,疫学
pp.836-843
発行日 2000年9月1日
Published Date 2000/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903550
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はじめに
わが国では「退院マネジメント」が非常に不十分であるために,退院後のケアが計画的に継続されることなく中断してしまい,問題が増大複雑化してから在宅ケアを開始したり,施設ケアへ移行する例が多い現状です.そのために本人の心身状態が悪化し,家族は介護負担にあえぎ,生活パターンの変更を迫られ,ストレスが蓄積しやすいのです.そのような状況に至ってから在宅ケアや施設ケアが開始されても,ケアの効果が現われにくい(アウトカムが出しにくい)効率の悪い状況です.
慢性疾患や心身の障害を有し,退院後も継続ケアを必要とする高齢者がますます増加しているわが国では,継続ケアのための退院マネジメントを確立し,効果的かつ効率的なケア体制を早急に整えなければなりません.この体制は高齢者のみならず子どもにも成人にもぜひ必要です.
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