ミドルナースの大学院生活ウォッチング・5
再会
迫田 綾子
1
AYAKO SAKODA
1
1広島大学大学院医学系研究科博士課程前期
pp.741
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903528
- 有料閲覧
- 文献概要
午後からH病院に出かけ,Kさんの入院している病室に伺った.Kさんは10年来の脳血管障害後遺症で寝たきり.すこし前に定年退職した妻のYさんと二人暮らしだった.在宅療養されていたときに,スポンジブラシでお茶を使った口腔清拭を頻回にすることを指導した.「毎日丁寧に拭くだけで熱が出ないなんて不思議ねー.介護に意欲が出てきたよ」と喜んでもらっていた.胃の調子が悪いと急遽入院になったのが1か月前.肺炎も併発して痙攣もあると,我が家にハガキとファックスが届いた.
経過を書いた後に,「先生が,胃瘻からはもう食事は無理だとおっしゃるけど,私としては注射での栄養は認めたくない.どうしたらいいでしょう」と,判断に戸惑っている様子が文面から伝わってきた.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.