研究と報告
公共の福祉サービスに対する地域住民の認識調査—岡山市の場合
永瀬 百子
1
,
晴山 由紀
1
,
西田 康江
1
1岡山市立せのお病院
pp.277-281
発行日 2000年3月1日
Published Date 2000/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903432
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はじめに
わが国の総人口に対する65歳以上の高齢者が占める割合(高齢化率)は14.5%で,2010年に22%,2020年には27%に達するといわれている1).一方,岡山県での高齢化率は現在14.7%で,当院が位置する岡山市姉尾地区では15.8%となっており,これは全国平均,県平均のいずれをも上回っている2).
1994(平成6)年に医療保険制度が改正され,在宅医療が新しい医療形態としてスタートした.高齢者の在宅医療を進めていくためには,往診,訪問看護,そして公共の福祉サービスの提供を充実させることが重要である.しかし当院は,公的病院ではあるが病床数75床の小病院であり,人員も手一杯であるため往診と訪問看護は行なえない状況にある.当院のような立場にある病院は多くあると思われるが,他の医療機関や保健・福祉にかかわる人々との相互の連携を密にすることに加え,公共の福祉サービスの紹介に力を注ぐことがより一層必要となってくる.2000(平成12)年4月には介護保険が実施される予定になっており,そうした役割は,小規模病院にはますます重要となるだろう.
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