フロントライン2000 老人
臨床に必要な「仮性(偽性)独居」という視点
小谷 和彦
1
,
川上 多津子
1
,
下村 登規夫
2
,
猪川 嗣朗
2
1国保赤碕診療所
2鳥取大学医学部臨床検査医学
pp.70-73
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903384
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はじめに
患者の生活支援を実施する際,家庭の介護力を考慮することは非常に大切である.近年,高齢者単独世帯は著しく増加している1).とくに訪問看護を行なおうとする場合,患者が家族と同居しているのか,あるいは独居なのかということは,重要な確認事項である.
しかしながら,家族と同居していても,患者にまったくといってもいいほど家族がかかわっておらず,かえって訪問看護の展開に難渋することが全国的にまま経験されてきている.われわれは,こうした例を,独特な性質を有する群と考えて「仮性(偽性)独居」と名づけ,検討していく必要性を提唱している.本稿では,「仮性(偽性)独居」の概念や特徴および臨床的視点について,話題として提起し,議論および研究を呼びかけたい.
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