特集 新しい排泄ケアの視点から尿道留置カテーテルを考える
[Topics・5]間欠的バルンカテーテル留置法について
高坂 哲
1
1東京都リハビリテーション病院泌尿器科
pp.65-67
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903382
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間欠自己導尿法(以下,clean intermittentcatheterization;CIC)は,ジャック・ラピデスが提唱し,本邦では宮崎らが臨床応用して以来全国に広まり,現在では排尿障害の基本的管理法として定着した.一方,CICの普及に伴い,利点のみならずいくつかの問題点も指摘されはじめた(表1).とくに障害者が社会生活に復帰する段になると,「外出時に使えるトイレがなかった」「清潔操作が難しかった」など,問題は行動範囲の制限という形で現われてくる.内服療法(蓄尿・排尿機能の改善)や装具・介護用品の工夫でも,問題が解消されない場合がある.このようなCICの不都合を生じた場合の解決策の1つとして間欠的バルンカテーテル留置法は考案された.
カテーテルの留置は,尿路感染症予防などカテーテルフリーの見地から「悪」とみなされてきたが,低膀胱内圧で尿失禁なく,確実に膀胱内を空にできる利点は,ほかに追随を許さない.本稿は間欠的バルンカテーテルの有用性を再検討し,カテーテルの利点を最大限に生かし,かつ尿路感染など欠点を最小限に抑えた方法として,満足できる結果を得たので紹介する.
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