特集 看護診断は看護を変えるか?
看護診断最前線—第10回NANDAの会議から
近田 敬子
1
,
若村 智子
1
1京都大学医療技術短期大学部
pp.993-997
発行日 1992年11月1日
Published Date 1992/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900741
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
NANDA*との出会い
「看護診断」という言葉と私の出会いはまだ日が浅く,約10年前のことに過ぎない其当時は単純にも,看護過程の構成要素の1つとして位置づけ,今後は研究によって診断過程が明確になっていくものだと受け止めていた.その頃すでに,某大学では教科目名に「看護診断」が挙げられていたが,どのような内容が教授されているのか認識不足で,自分を痛く恥じたことを思い出す.
ある会議の席で生半可な知識のまま,看護診断の実態を述べて,「看護婦は診断すべきでない.それは評価と呼ぶべきものではないか」と医師から指摘されたこともあった.折しも,ある医師会が診断と名の付くその用語に対する疑義を看護協会に申し立てていたと聞く.ただし,この現象は,わが国特有のものではなく,諸外国においても同様の経緯をたどっていたことを後に文献で知った.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.