連載 白い恋人たちへの応援歌[私の病院探訪記]・5
意識をゆり醒ます看護の力[2]—札幌麻生脳神経外科病院
向井 承子
pp.456-459
発行日 1992年5月1日
Published Date 1992/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900637
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恥じらいのしぐさをみせた
暗い部屋に,入浴中の若い女性の肢体が浮かびあがった.眠ったような表情.だが両の手は,まわりの視線を「意識」してか,胸と恥部を覆い隠すようにしている.その,一瞬の動作を見逃さなかった.
「この人,イケル!」 一瞬の恥じらいの動作をカメラで記録したのは,札幌麻生脳神経外科病院の看護婦さんたちである.意識障害とされる患者の内面に潜む意識の表現と,彼女たちはとらえた.この人には確かに意識がある.「ケア」の効果が期待できる…….看護婦さんたちはそう確信したのだという.
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