特集 看護とインフォームド・コンセント
[対談]看護婦は医療のコーディネーター役だ—きちんと位置づけたいインフォームド・コンセントの中での役割
吉村 京子
1
,
西森 三保子
2
1大坂赤十字病院看護部
2京都大学胸部疾患研究所付属病院
pp.311-316
発行日 1991年4月1日
Published Date 1991/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900361
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インフォームド・コンセントの論講が盛んとなっている.インフォームド・コンセントは“十分知らされた上での同意”,すなわち,患者が治療を受けるにあたり,その内容,目的,効果,副作用などにわたって十分説明を受け,治療内容において最終の決定をする主体は患者側にあるという概念である.ところが,日本では,“説明”が“通告”に過ぎないという現実,さらに患者の自己決定がなされていないという実態があることは否めない.特に,インフォームド・コンセントの議論は「癌の告知」にウエイトがかかり,医療現場で,患者が本当に知りたいことが,ないがしろになってはいないだろうか.患者の権利の確立が叫ばれながら,これも不十分な状況にある.
しかも,インフォームド・コンセントの論議が出た時は,いつも医師と患者の関係で話され,医療現場で患者に最も近い存在の看護婦が,あたかも関与していないかのような状況にあるのではないだろうか.
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