特集 精神保健法施行2年を迎えて
[研究]精神障害者の自立を支える看護—事例を通しての考察
森 千鶴
1
1東京都立医療技術短期大学
pp.689-695
発行日 1990年7月1日
Published Date 1990/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900169
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はじめに
看護の領域において,精神障害者に対するリハビリテーション看護が語られるようになったのは,ごく最近のことである.筆者は総合精神保健センターリハビリテーション部に勤務し,精神障害者のリハ看護の実践に携わった.
この間,病を負う人の健康的な能力をいち早く見い出し,その人にふさわしい生活が可能となるような働きかけを組み立てるという視点から,リハビリテーション看護をとらえてきた.それは言い換えると,その人自身でできることを看護の視点から側面的に援助することである.したがって,精神障害者に対するリハビリテーション看護では,障害者自身が自立した生活を営めるよう適切な生活訓練を計画し,その訓練に際して必要な援助を行なうことが重要である1).
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