PROFILE
前原澄子—第22回ICM学術大会の会長を務める—『“学術大会”としたのは,それなりの理由があるのです』
林
pp.489
発行日 1990年5月1日
Published Date 1990/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900126
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10月5日から神戸市で開かれる第22回ICM(世界助産婦連盟)学術大会には海外から1000名,国内2000名,計3000名の参加が見込まれている.1977年に東京で行なわれたICN世界大会以来の看護界のビッグイベントになる.大会のテーマは“助産婦からの贈りもの——愛・技・知”
「助産婦職は,日本では従来から独立した女性の職業として存続してきました.しかし,病院の中で分娩が行なわれるようになり,基本的には以前から同じ仕事をしているのに産科医の陰に隠れてしまい,助産婦の存在感は薄れつつあります.従って助産婦という職業を社会に向けてアピールすると同時に,その社会的責任を私たち自身が自覚すること.もう1つは,世界の助産婦がどんな活動をしているのか情報交流をし,お互いを豊かにしたい.最後の1つは,国際社会における日本の役割ということで,他の分野とも重なってきますが,開発途上国に対して何ができるかを考えるきっかけとしたい.これはWHOが“2000年までに,すべての人々に健康を”という健康戦略を示していますが,特に開発途上国では家族計画を始め母子保健の分野は,国の保健医療行政の最重要課題です.私たちもつい30年前までは同じような状況にあったわけですから,その経験を踏まえて途上国の妊産婦死亡,乳幼児死亡の改善にお役に立てるのではないかと思っています」
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