連載 ケーススタディ[ナースのための心理的アプローチ]・14
落ち着かなくて,どうしたらいいか分からないんです—ステロイド剤投与中に〈気分易変〉を呈したBさん
篠原 隆
1
,
本間 信
2
,
石垣 キヨ子
3
,
荒巻 洋子
3
1帝京大学精神神経科
2帝京大学第二内科
3帝京大学板橋病院
pp.114-117
発行日 1990年2月1日
Published Date 1990/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900045
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Bさんのプロフィール
生活歴:54歳,女性,保母.父親は,Bさんが17歳の時事故死し,母親は健在.5人の同胞の2番目で,高校卒業後,専門学校に進学し保母の資格を得ている.機会はあったが結婚に至らず,未婚.独り暮らしで,10年程前より現在の保育園に勤務している.仕事熱心で,職場では勤務態度等が特に問題になることはなかったが,元来わがままで,周りの人に合わせてもらうタイプであったという.アルコール飲用等,特に問題となる習慣はない.
現病歴:2年前に閉経.しかし,身体的精神的に変調を来すことはなかった.一昨年の春頃より,出血すると止まり難くなり,近医を受診.検査の結果,特発性血小板減少性紫斑病を疑われ,8月から10月まで当院内科に紹介されて入院し,軽快退院した.退院2週間後,職場に復帰し3日間出勤したが,動悸,手指振戦が出現,仕事への意欲低下を自覚,また食欲不振,不眠もあり,当院内科を受診し再入院となった.この間,内科からプレドニン17.5mg/dayを処方されていた.
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