目で見る移動・介助の実技・10
脊髄損傷患者 4—ベッド上での移動・介助
武田 功
1
1国立身体障害センター
pp.1293-1296
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918045
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脊椎は脊椎動物にとって構築学的に重要な部分であり,脊髄は脊椎骨に保護されて包含されている.この部の損傷により,構築学的にはもちろん神経学的にも重大な影響を及ぼす.従ってこの場合の移動・介助は2次的損傷と合併症の予防が大切であり,初期には不用意に1人で患者を動かしてはならない.少なくとも訓練された看護婦(士)が4-5名以上組になって,全員が平等の力で号令に合わせて患者を一塊として取り扱わねばならない.慢性期に至って最終的には他人の介助なしに独立して移動できることを理想とするが,損傷レベルや程度・年齢によってもその限界があり,他人の介助(以下‘人的’と略す)をより少なくし,なるべく患者の残存機能が最大限に発揮できるような機械器具(以下‘物的’と略す)を利用した移動・介助を指導していく.
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