連載 医療機器とともに学ぶ―カラダのしくみ・15【最終回】
人工呼吸のはなし③
堀川 由夫
1
Yoshio Horikawa
1
1西神戸医療センター麻酔科
pp.72-77
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101464
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「二相性換気」とは何か
「人工呼吸のはなし」3回目は、人工換気モードで流行しつつある二相性換気について解説します。二相性換気は二相性PEEPと呼ばれることもあります。しかし、PEEPというのは「呼気終末にかける陽圧」のことであり、換気モードの名前としては適切ではありません。また、二相性換気というのも正確な名称ではないのですが、ほかに短く的確な表現がないので、本稿では「二相性換気」として解説します。
この換気様式を世に知らしめた最大の功労者は、挿管をせずにマスクによる非侵襲的換気を可能にしたBiPAP Vision®です。BiPAP Vision®がRespironics社(日本での販売はフジ・レスピロニクス社)から発売されてすでに10年以上が経過しましたが、同じ発音であるBIPAPという別の換気モードを搭載した人工呼吸器が、ドレーゲル・メディカル ジャパンから発売されていることなどによって、ただでさえ理解がむずかしい人工呼吸のなかでも、とりわけ混乱が生じやすい領域となってしまいました。
これらのモードを理解するにはPEEPやCPAPの知識が必要ですので、まずはそこから解説をはじめます。
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